「寮対抗サバイバル?」
「うん。校長が提案したんだって」
「へー」


窓から差し込んでくる朝日は、いつも綺麗だ。
半熟でこしょうが少しきいた目玉焼きを頬張りながら、
視線を窓から関坂に移す。
この学校はそういうイベント?みたいなものが多いらしい。
まあ楽しそうだからいいんだけど!





「期間は今日一日。あ、これズボンのベルト通しに通して!」


関根から赤いスカーフみたいな布を受け取り、言われた通りにする。





「これを他の寮の奴らに取られないようにするんだ。」
「ん、大体読めた!ようするに、沢山のスカーフ取ったら勝ちって訳な?」
「そ!協力でもなんでもあり。暴力さえなければいいってこと」
「へー、他になんかある?」
「あ、そうそう!各寮長のスカーフを取ったら賞品プラス旅館ペア宿泊券!
 自分の所の寮長でも平気みたい」
「おー!」


賞品は、優勝寮の一人一人にノートパソコンらしい。
いつも思うけど、この学校って結構金持ちだよな。





「で、いつから始まる――ッ!!」


3寮っぽいマントつけた人が通り過ぎたかと思うと、
俺のスカーフに手を伸ばしたので反射的に椅子からパッと立ち上がり避ける。






「……もう始まってるみたいだな」
「うん。頑張ろうね!」

わくわくした顔でこっちを見る関原に苦笑いを返す。




、あのさ、よかったら俺とペア」
「あ、俺一旦部屋戻るな!」


まだ部屋あんまり片付いてねーし、と続ける。
(ああ!今、関藤と声かぶって聞こえなかった!)






「ごめん、関生なに?」
「や……なんでもない(俺のばか!)」
「ん、そか。じゃ、俺行くな」
「え、あ、うん(あー……行っちゃった)」
「またあとでー!」


変な笑顔を浮かべる関町に背を向け、部屋の方へ歩き出した。





「あ、!」
「おー中津じゃん。はよー!」


俺の部屋の扉に寄り掛かるように立っていた中津は、
俺の姿を見つけるなり駆け寄ってきた。





「サバイバルの説明は……っと、聞いたみたいだな」


視線を俺の腰に付けてあるスカーフに落としてから、
中津はパッと顔をあげて笑った。





「な、俺とペア組まねー?」
「ペア?」
「聞いただろ、協力ありだって」
「あー、それか!」

茶目っ気を出して手をポンと叩く。(あ、ちょっと古かったかな)






「だから、2人で行動した方が効率的ってわけ(可愛いなくそ!)」
「うん、いいよ」


にこ、と笑って返事ひとつ。(断る理由ないし!)





「え、マジで!?」
「?うん。これからよろしく」
「よっしゃー!(俺が勝ち取った!)」


天に拳を突き上げて、中津が叫ぶ。腰にあてた手が男らしさを演出中!





「あ、じゃあまず3寮から狙おうぜ!」
「おう!(とふたりとか嬉しすぎる!)」







戦闘開始でございます/20080312



(お待たせしました!)

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